「ビジネス実務法務検定3級合格」に役立ちそうな情報として、参考書(テキスト、問題集)や勉強方法、勉強時間等について、実体験に基づいてお伝えします。
合格の一助になれば幸いです。
※筆者はビジネス実務法務検定3級に合格しています。
この記事の読者の想定は下記の通りです。
- 「ビジネス実務法務検定」3級を受験するか悩んでいる
- 「ビジネス実務法務検定」3級に合格したい
上記の内1つでも当てはまる方は、是非お読み下さい。
はじめに
「ビジネス実務法務検定」とは?
東京商工会議所の行っている検定試験です。
自分を守る、仕事の法律入門
それがビジネス実務法務検定試験です!“ビジ法”は、法務部門に限らず営業、販売、総務、人事などあらゆる職種で必要とされる法律知識が習得できます。
例えば、営業で取引先との契約書を締結する場面を想像してください。契約内容に不備や不利益がないか発見し、正しい判断ができれば、トラブルを未然に防ぐことができます。身につけた正しい法律知識は、業務上のリスクを回避し、会社へのダメージを未然に防ぐことができます。同時に、自分の身を守ることにもなります。
なお、ビジ法は企業活動の主要分野を多くカバーしているので業種も問いません。
(引用元:ビジネス実務法務検定試験 | この検定の魅力)
「ビジネス実務法務検定」3級の受験は誰向けか?
下記のような方のスタートにお勧めです。
- 「ゆくゆくは法務に関わる仕事をしたい」と考えている方
- 「法務に関わっているが、素養の不足を感じる」方
- 法学部生
正直「ビジネス実務法務検定3級」のみで就職や転職ができるかと訊かれると、厳しい印象です。
面接において、「実務法務の基礎の基礎が備わっている」と判断してもらえる場合があるくらいで、あとは話の種になる程度です。
実務法務を意識するなら極力1級、最低でも2級は欲しいところですが、2級の検定試験には3級の検定試験からの出題も有ります。
つまりお勧めは、2級を受験する前にまずは3級を勉強・受験し、合格することです。
「ビジネス実務法務検定」3級の合格率
公式の発表によると、直近2回は下記の通りです。
【第44回目】75.9%
【第43回目】83.4%
【年度合計】79.3%
(引用元:ビジネス実務法務検定試験 | 受験者データ)
「ビジネス実務法務検定」3級と独学について
「ビジネス実務法務検定」3級を独学で合格できるか?
十分に合格は可能です。
「ビジネス実務法務検定」3級を独学で合格するコツ
ビジネス実務法務検定3級の難易度でしたら、下記の点さえしっかりできれば十分に合格できます。
- 勉強時間を確保すること
- (あまりに非効率でない)勉強方法を採ること
「ビジネス実務法務検定」3級と講座について
「ビジネス実務法務検定」3級の講座を受けたい場合
3級のレベルですと、正直なところ個人的にはあまりお勧めできないです。
2級ならまだしも、3級ですとお金が尚更勿体ない為です。
それでも、下記に該当する方の場合はセミナーや講座を利用するのも一択です。
- 「自己管理があまりに自信がない」
- 「自己学習があまりに難しい」
- 「潤沢な資産がある」
【公式サイト】
難関資格・国家資格を目指す方のためのオンライン資格講座【スタディング】
「ビジネス実務法務検定」3級に合格するには
「ビジネス実務法務検定」3級テキストのおすすめ
結論としては「テキストは不要」です。
「情報のインプットが不要」ではないです。
「ビジネス実務法務検定」3級の問題集のおすすめ
「公式問題集のみ」で十分です(上記画像は私が大学生の頃に使っていたもの)。
実際に、公式問題集のみで合格しました。
法学部生や法務を意識している方は、六法を引きつつ勉強されるのも宜しいかと思います。
お勧めは判例六法、判例が確認しやすいです。
「ビジネス実務法務検定」3級の合格に勉強方法
繰り返しの問題演習
理想は、前述した問題集の全ての問題について
- 各選択肢について説明ができる(間違っている選択肢については、何が誤っているのかを説明することができる)
- その上で正解が解る
[jin_icon_info color=”#e9546b” size=”18px”]他の資格試験(特にマーク式)にも同様のことが言えます。
目安は3週以上ですが、前述の理想が満たせているのであれば2週でもいいかもしれません。
初心者の「解けない」について
極端な話、法曹三者(※1)の職に就かれている方々だって、法を専門的に学ぶ前までは基本的な「法形式」についてすら知らなかった筈です。
私だって学んだからこそ知っているのであって、学ぶ前は知りませんでした。
最初は一から十まで不正解するかもしれませんが、どうかめげないで下さい。
一から覚える+理解するくらいのマインドでやりましょう(๑•̀ㅂ•́)و✧
※1 弁護士・検察官・裁判官を指します。
問題演習の仕方
ある程度解けるようになってきたら、数問解く(1問1問の解答をノートか何かに書く)→まとめて丸付け+解説読む(間違えた問題+理由の説明ができなかった選択肢については熟読)→数問解く→…の繰り返しをお勧めします。
1問の解き方ですが、必ず各選択肢について検討すること。
例えば、「下記の選択肢の内、最も適切でない選択肢を1つ選びなさい。」という問題があるとします。
①~
②~
③所有権は、不可侵のものとして尊重されなければならないので、所有権の内容を制限するような法律は全て無効である。
④~
まずは各選択肢について検討していきます。
③の「所有権の内容を制限するような法律は全て無効」は、「憲法27条2項は公共の福祉の為には財産権を制限する内容だったはず」「財産権には所有権が含まれる」「ということは、憲法27条2項に照らして不適切じゃないか?」みたいな考え方が将来的にできれば理想的です。将来的にです。
慣れない内は、丸付け後、解説読んですぐに誤った選択肢を確認して、「ここがこう誤りだったんだな」と理解することをお勧めします。それの積み重ねて十分です。
次回に解く際には、その選択肢を見た際にピクッと「ここがこう誤り!」と瞬時に思い出したい(回数を重ねてもいいので、条件反射的に瞬時に思い出そうとしましょう)。
憶えるべきところは憶え、理解すべきところは理解していく。それの繰り返しです。
忘れる前に再度解く
復習の間隔ですが、1回目は翌日をお勧めします。
忘れてから解くのでは意味が薄いです(全く無いとは言いませんが…)。
ある問題3つを解き、選択肢12について理屈を憶えたのなら、翌日には再度解く。
自信が無ければ翌日と言わず、時間を置いて当日の就寝前などにやる(就寝前に暗記系はお勧め)。
特に発声(声に出して)し、自身に説明するようなスタイルをとれるとより望ましいです。
五感を刺激すると記憶に残りやすいので、発声することも聴覚を刺激することも勉強方法としては効率良いです。
私は用心深いタイプなので、法学部だからと手を抜かず徹底的に繰り返しました。
その結果、下記のような結果が得られました(ビジ法2級と法学検定3級は間が空いていませんでしたが、それを踏まえて念入りに勉強していたので特に問題はありませんでした)。
2011年07月:ビジネス実務法務検定3級 合格
2011年12月:ビジネス実務法務検定2級 合格
2011年12月:法学検定試験3級 合格
過去問演習
■ポイント
前述の問題演習をこなし、各セクションの全問題について3~4周程度した後は過去問演習をしましょう。
全く解けない状態では勿体ないです、初めて解く機会の損失です(2回目以降は解答を憶えてしまっている部分があるかと思うので、飽くまでも初見は初回のみ)。
必ず、問題演習をこなし、知識を積み重ねた上で行いましょう。
- 時間を測ること
- 制限時間の内、8割くらいの時間には解き終えるように時間配分すること
- 残りの時間の2割の内、1割程度で見直しを終えること
上記は毎回行うべきです。
漫然とやっては得られる効果が薄くなります。
本試験でタイムアップは嫌ですよね。
過去問は限りなく本試験を意識することが大切です。
■目的
過去問を解く目的は3つあります。
- 本試験の出題傾向や出題形式を把握すること
- 本試験の出題傾向や出題形式に慣れておくこと
- 自身の弱点や理解していない分野を洗い出すこと
もし時間内に解き終えられなくても、解答するのを止めます。
そして丸付け、採点し、自分の力量を把握します。
不正解した箇所を確認し、原因を把握し、対処します。
例えば単純な知識不足であれば補い、何か勘違いしているなら正します。
少なくとも8割か9割程度が点数としてとれるようになり、各選択肢について説明ができるレベルにまで仕上げます。
収録されている過去問全年度について行います。
「ビジネス実務法務検定」3級の合格に必要な勉強時間の目安は?
一般的には「1~3ヶ月程度」と言われています。
私としては、勉強するコンディションやそもそもの素養の差異によって大きく異なるので一概に言えないと思いますが…。
初学者の方を想定すると、前述した問題集を最低でも3~4週程度はした方が良いのではと思います。
1週に10時間としたら、3週に30時間、4週で40時間くらい。最低でも40時間ですね(※1週がそれ以上かかるなら、当然相応に増えます)。
繰り返しになりますが、「4週すればOK」とかではなく、「問題集にある各選択肢について、全て、正誤の理由を説明できるレベル」になっている必要があります。
繰り返し繰り返し、暗記や理解の為に読み直す必要があると思いますが、そこは努力のしどころです。
2級やその先を見据えるなら、上記の1.5倍でも2倍でも時間を工面する努力をされるべきです。
難関試験に合格する人の姿勢やマインド
下記の記事の「難関試験に合格する人の姿勢やマインド」は参考になると思います。
「読むのは必須!」とは全く言いませんが、ビジ法3級や2級を受ける人に併せて伝えたいと思って書きました(動機の一端ではあります)。
「ビジネス実務法務検定」3級を勉強する上で注意
以下のような表現を耳にすることがあります。
- 「数日で合格した」
- 「一夜漬けで合格した」
特に初学者の方向けに断言しますが、必要最低限の勉強だと足元を掬われかねません。
本当に絶対に合格したい気持ちがあるなら、時間の捻出から本気でやって下さい。
最後に
色々言いましたが
様々な事情があって目指されることとお察しします。
ビジネス実務法務検定3級の勉強、受験、合格するように応援しています!
ビジ法以外の他資格・他試験に関して
この記事で言及した内容の大部分は他資格についても同様のことが言えます。
是非とも参考にして下さい。
ビジネス実務法務検定2級に関して
ビジネス実務法務検定3級の合格後にご参考にして下さい、下記の記事です。