この記事の読者の想定は下記の通りです。
- ご自身が「アトピー性皮膚炎」で、「デュピクセント」を使用するか悩んでいる
- ご家族(主にお子様, 配偶者, ご兄弟 等)が「アトピー性皮膚炎」で、「デュピクセント」の使用を勧めるか(使用するか)悩んでいる
- 実際に使用した人の声を聴きたい
- 「デュピクセント」と「デュピルマブ」ってどう違うか知りたい
上記の内1つでも当てはまる方は、是非お読み下さい。
前提
本題に入る前に…
読者の想定に記載している通りですが、記事で想定している読者でない方はお読みになるのをご遠慮下さい。
繰り返しになりますが、重たい話を含みます(悪戯に、暗い気持ちにさせたくはありません)。
ご理解の程、お願い致します。
以降、前提の続きとして「筆者の体質-重度を経験-」からお話していきます。
筆者の体質-「重度」を経験-
筆者である私は、アトピー性皮膚炎です。
影を落とす話になりますので自己紹介のページには記載していませんが、一時は「重度」の症状にまでなりました。
ぶっちゃけ何もかも辛い。理解されない点も辛い。
ぶっちゃけ、一時は死にたいと日常的に思っていました。
何故か?毎日毎日、どこもかしこも痒いからです。
掻きたくないのに掻き、傷ができ、そこが痛むからです。
「ほんと生きるのに向いてない体質だな」と自分の体質を認識していました。
だって、「大半の人と同様に、朝に電車乗って、会社に行って仕事して、夜には家に帰って寝る」をこなすだけでも一苦労でしたから。
全身から浸出液が垂れ流れ…、例えば瞼を閉じ続けた後に、瞼を開こうとすると瞼がくっついて開きづらく、涙が出ることは日常茶飯事(※重度の症状のときの話です)。
手は、指の側面からもかなり浸出液が出ていたので、風呂上がり直後で絆創膏を貼るまでの間は、指と指の間を開き続けておかないとくっつく(※これが、離すときが激痛)。
寝るのがとにかく怖かった。
起きていて意識がある間は自制心でなんとかなっても、布団に入ると、堪えられるわけがない程の強烈な痒みに苦しみ、掻き、朝には傷ができる…の繰り返しでしたから(痒みが増すのは、布団に入ることにより体温が上がる為ですね…)。
世の不平等を恨むこともありました。
私以外の血縁者にアトピー性皮膚炎が居なかったことも、「何故私だけ?」という気持ちを膨らませました。
こればかりは経験しないと理解は難しいと思いますし、それは仕方がないと思います。
脱ステ経験有り
「脱ステ」(※ここでの説明は割愛)を何回かしたことがあり、成功(大学生~社会人2年目始めまで)と失敗を経験しています。
死ぬ度胸がなかったといえば、なかったです。
アトピー性皮膚炎の症状が重度で、どんだけ辛くても死ねなかった。
とはいえ生きたかったのも確かではありました。
妻が居てくれたし。
大好きな趣味で、やれてないゲーム、読めてない漫画や小説、観れてない映画もたくさんありましたが、そんなのどうでも気になりませんでした。
「アトピー性皮膚炎」の重度の状態にまでなると考えられませんでした。
理屈じゃない。
紆余曲折を経て
そんな状態を経験しての、とあるお医者さんとの出会い、リンデロン軟膏とデルモベート軟膏漬けを経て、「重度」を脱しました。
浸出液まみれを脱したのは本当に大きかったです(生活の質、最悪でしたから)。
そんな「重度のアトピー」まで経験し、脱して、社会人に復帰。
普通の人と変わらない生活を再び取り戻しました。
ただ、掻傷が絶えずできていた為、薬(ステロイド剤・主にリンデロン軟膏とプロトピック軟膏)は不定期的に使い続けていました。
「デュピクセント」をなぜ使用したのか(動機)
「ヘビーな話をしやがって!」と思われた方、すみません!
そんな私が「デュピクセント」を使用したのは何故か、「動機は何か?」というと
- 「痒みに苦しみたくないから」(痒みと無縁の生活を送りたい)
- 「掻きたくないから」(皮膚を傷つけたくないのと、「掻く」行為をしたくない)
上記2つが理由です。
共通して、生活の質(QOL)を上げる為ですね。
前述の通り、重度を脱した後も何年も医者の指示の下でステロイドを使い続けています。
システムエンジニアとして社会人を続けていますが、一向に痒みや痛みから離れられずうんざりしていました。
そんな状態の私がある日、妻から「痒みや痛みから離れられる新薬が開発されたらしい」とデュピクセントの存在を知らせてもらいました。
体験談は少なく、お金はない私でしたが、飛びつかざるを得ませんでした。
デュピクセントについて
かかるお金(コスト)
1発当たり:25000円前後
初回:大体50000円前後(※初回に限り、2発打つ為。2回目以降は1発ずつ)
周期:2週間に1回(※使用してから次回使用するまでの待機期間として、必ず2週間以上空ける必要が有る)
費用:初月…約75000円前後(※1)、2ヶ月目以降…50000円前後
期間:大体短くても3ヶ月はほぼマスト(?)、5~8ヶ月前後は続けるものみたい
大体、上記の通りかかります。
3ヶ月目までで大体175000円、8ヶ月目までで大体425000円くらいですね。
安くはありませんね…。
…身内から借りました(´ー`)苦笑
もう苦しみたくなかったので、
- 「こんな痒みとおさらばできるのなら」
- 「昔のように質の良い眠りを得られるのであれば」
という思いから、身内からお金を借りてまで使用し始めました。
※私の場合、生活の質を上げていき、稼働時間上げるなり何なりして返済していきます。
「デュピクセント」使用してみてどうだったか
メリットとデメリットに切り分けてお伝えしようかと思います。
メリット
- 掻いても全然傷ができなくなった。
- 落屑がぐっと減った。
デメリット
- 痒みは残ってる(気持ち減ったレベル)。明確に、顕著に減ったわけじゃなく、全然有る。
- 注射がくっそ痛い。初回なんて2発使用することになっていて、1発目が痛かったのに2発目を使用するまでの間が地獄だった(※私は注射が大の苦手というのもあります)。
- 結膜炎のような、目が赤くなる日が数日に1日ある(※無関係の可能性もある)。
- デュピクセントは「保管状態」から「常温」に戻してからでないと注射時に「痛みが増す」為、常温に戻す必要がある(つまり、初回は常温に戻す「45分間」を待合室等で待つ必要がある。2回目以降は受診の1時間くらい前には病院に電話をかけ、常温に戻し始めてもらう必要がある)。
※初回分に重点を置いた内容につきましては、近々投稿します。
ここまでの内容は「デュピクセントを1回使用し、2回目を使用するまでの間」のレビューです。
光線治療も、デュピクセント1回目から併せて受けるようになっています。
筆者の主観に基づいて記載していて、且つ個人差もありますので「飽くまでも一例」としてお耳に入れて下さい。
「デュピクセント」と「デュピルマブ」の違い
モノとしては同一です、大抵の方の場合は敏感に差異を気にする必要は無いかと思います。
「デュピクセント」:商品名。製品名。※サノフィ株式会社
「デュピルマブ」:一般名
最後に
飽くまでも「選択肢の一つ」
色々言いましたが、安易に「お勧めです!」とは言えません(結果に対して責任をとれません)。
コストとして、安くはありません。
これから先の副作用的なものも、解りきってはいません。
※2018年4月頃に販売開始したものですので、この記事を投稿する時点で1年未経過。つまり、「使用してから●年経つと▲なる」ということは判らない(居ない為)。「■ヶ月経ったら★なる」も被検体が少ない)。
それでも、藁にもすがる思いをしている方、「死にたい」と絶命すら考えてしまっている方は、お近くの病院でお医者さんと相談する余地はあるかと思います。
お金がない方は、私のように身内から借りることや、難しければ友人・知人を頼ることから始めるといいかもしれません。
※「デュピクセント」とは?の概要レベルの解説は追って、別の記事で行います。
追記
「デュピクセント」概要レベル
「デュピクセント」概要レベルの解説記事を投稿しました、下記の記事です。
僕もお金なくてデュピクセント見送っていましたが親にお金を借りる事で来週から診察後にデュピクセント始めます。
記事参考になりました。
ももっちさん
初めまして!
コメント頂いて、ありがとうございますm(_ _)m
参考になったとのことで、私も嬉しいです。
QOL上げて、将来的に返済までできれば、ももっちさん・親御さん共にWin-Winですね。
そもそもQOL上がった時点で、本人も身内も大変嬉しいもの(苦しかった期間が長ければそれだけ感慨深い)なので、それだけでも十分デュピクセント以上の価値はあるよなぁと改めて思わせられました。
ありがとうございました!
私も注射してみる価値はあると思います。痛みもつらいですが痒みもめちゃくちゃ辛いですよね。ガマンできるならガマンしてるわ!ですよね!
全身痒いは白い粉だらけで嫌気が差す毎日です。
かわさん
初めまして!
遅くなってしまって、本当にすみません。
コメント頂いて、ありがとうございますm(_ _)m
同感頂いて嬉しいです。
諸々、「ほんとそれ!」って感じです。苦笑
一定期間デュピクセントを使ってみて、デュピクセント使用前と比べてみると、別世界でした。
・「アトピーに煩わされないだけで、これだけ精神的・肉体的な負荷が下がるんだ」と実感した。
・「QOLがアトピー性皮膚炎になる前に戻った」ような感覚を覚えた。
そんな感じだったかと思います。
痛いしお金もかかるんですけどね、、痒いのとか、白い粉だらけは本当にメンタルに良くない。
自分が普段座る椅子の上や、布団、便座から立ち上がった際に気付いたりした記憶がありますが、強烈に嫌気差しますよね。強く共感します。
一般的には掻くことを「自傷行為」というそうですが、「こちとら掻きたくて掻いてるんじゃないわ!」ってしばしば思ってました。苦笑
寝て起きての絶望なんて、毎日のことですよね、、。
今後もアトピー性皮膚炎の根本的治療の手段は増えてほしいし、安定的な治療法が確立していって欲しいと願うばかりですが、今の御時世だと、デュピクセントはお勧めします。
ありがとうございました!