アトピー性皮膚炎の治療で、最近になって「デュピクセント」という言葉を耳にする機会が増えてきたように思います。
そもそも「デュピクセント」とは一体なにか?
どのような長所や短所のあるものなのか?
どのような方が対象か?
ご紹介します。
この記事の読者の想定は下記の通りです。
- 「デュピクセント」とは何かを知りたい
- 「デュピクセント」の長所と短所を知りたい
- 「デュピクセント」の対象者は誰か知りたい
- 「デュピクセント」の効能を知りたい
- 「デュピクセント」の注意点を知りたい
上記の内1つでも当てはまる方は、是非お読み下さい。
この記事は「デュピクセント」に興味を持たれた方であれば、どなたでもご覧頂けます。
「デュピクセント」とは何か
「デュピクセント」とは「効果の高いアトピー治療薬」
「デュピクセント」とは、ざっくり言うと「効果の高いアトピー治療薬」です。
「すごい効く」と効果を実感する人はかなり多いです。
もう少し丁寧に言うと、
「デュピクセント」とは、薬の名称です。
より正確には商品名を指し、一般名は「デュピルマブ」です(どちらでも全く問題なく伝わるので気にしなくて大丈夫です)。
用途は「アトピー性皮膚炎」や「喘息」(気管支喘息)の治療です。
新薬(2018年4月に販売開始したばかり)です。
サノフィ株式会社が売っています。
「デュピクセント」の長所と短所
長所
ステロイド軟膏の塗布よりも、治療結果に大きく期待できる。
副作用が少ない。
ステロイド軟膏を塗らない関係で、ベタつかない。
短所
値段が高い。高すぎる。
痛い(※1)。
誰でも受けられるわけではない。投与前検査があり、投与基準(※2)を満たさないと受けられない。
即効性があるわけではなく、大体3回目~3ヶ月目くらいから実感が持てる(個人差あり)。
「効果なし」、「効かない」と実感している方も一定数居る(※3)。
免疫抑制剤(※4)である。
※1 皮下注射により摂取するものだからです。注射に痛みを感じない方であれば、痛くないかもしれません。
※2 詳しくは医者に訊いていませんが、医者曰く2つあり、1つ目は「アトピー性皮膚炎の症状の度合いが、中度~重度の方しか受けられない」、2つ目は「成人型アトピー性皮膚炎でないと受けられない」(≒難治性アトピー性皮膚炎)とのことです。筆者の私は、大学3年生の方でデュピクセントを使用している方を知っているので、少なくとも20歳以上は受ける資格があるようですね。
※3 医者曰く、極少数ではあるものの暫く使っても効果を実感できなかった方々も居るとのことです。私が尋ねた医者の勤める病院には、既に4~10人前後は受けていました(明確な人数は言われておらず、教えてもらったアバウトな人数も記憶が朧気です、、)。
※4 ギョッとされた方はステロイドについてもご存知だとお察しします。この効果が期待できるデュピクセントも「ステロイド(副腎皮質ホルモン剤)と同様に免疫抑制剤」なんです。副作用でヘルペス等が出た場合は、ステロイド剤の塗布は厳禁です。それ以外はあまり気にする必要もないと思いますが、知識として一応把握された方が宜しいかと思います。
「デュピクセント」の効能
「デュピクセント」の効能は、ざっくり言うと「痒みの原因の発生の抑制」です。
簡単に言うと「痒くならないようにする」効能のある薬です。
引用します(「添付文書情報」5頁目~6頁目)。
デュピルマブは、ヒトインターロイキン-4及びインターロイキン-13受容体の複合体が共有しているIL-4受容体αサブユニットに特異的に結合することにより、IL-4及びIL-13の両シグナル伝達を阻害する遺伝子組換えヒトIgG4モノクローナル抗体である。IL-4及びIL-13はアトピー性皮膚炎及び気管支喘息の病態において重要な役割を担うType 2 サイトカインである。
うん、日本語でおk。私にはよく判りませんでした。
要は、
「IL-4」と「IL-13」(※1)という物質が痒みのもと、原因。
デュピクセントは、「IL-4」と「IL-13」の発生を防ぐ。
ということです、仕組みについては上記で必要十分ではないかと思います。
更に続けると、「デュピクセントは痒みのもとを発生させないようにし、炎症の発生を予防する」ことを目的にしています。
※1
インターロイキン-4とインターロイキン-13と読むようです。
余談で、ここでは知らなくていい話ですが「インターロイキン」とは「サイトカイン」のことであり、タンパク質のことだそうです。
「サイトカイン」とは、パンフレットによると(引用します)
体内の細胞同士の情報伝達を行うタンパク質
のこととあります。
「タンパク質が情報伝達」って聴くと(??)ってなるかもしれませんが、この先はパット見よく解らなかったので私は割り切りました。
「デュピクセント」の注意点
予防的効能
前述の通り、痒くならないようにする為の薬がデュピクセントです。
予防的な効能です。
「既に発生した炎症をデュピクセントで鎮める」ようなことはできません。
デュピクセントに、既に発生した炎症を鎮めるような事後的に働く効能はない為です。
炎症が発生したらどうするか?
従来通り、ステロイド軟膏の塗布をすることになります。
(大前提として、保湿は十分に行った上でです。)
やめたらどうなるか?
ぶり返し、すぐさま元の木阿弥…ということにはならないようです。ステロイド軟膏のときとは大違いですね。
先人達の発信している記録によると「周期を伸ばす」(初めは2週間に1回だったところ、3週間に1回、4週間に1回…)ことをしているようです。
「全く使わない状態にしてから3、4週間空けても綺麗な状態が継続した」という記録をちらほら目にしました。希望的な話ですね。
数ヶ月空けて…はまだお目にかかってないのと、私も経験がないので判りません。
最後に
筆者である私も、デュピクセントを使用しています。
デュピクセントを使用しての感想、体験談、経過観察、実際にかかった費用、事前準備等は別の記事に都度記載しています。
良かったらご覧下さい、ご参考になれば幸いです。
余計なお世話かもしれませんが、成人以上で且つ自殺を考えるくらいでしたら、すぐさまお近くのデュピクセント治療を行っている皮膚科を探し、お医者さんにご相談下さい。
無責任ながら効果の保証まではできませんが、試す価値は大いにあると私は考えます。
皮膚科の探し方は電話をお勧めします、やっていないところもあるので電話で「デュピクセントを使用したいんですが、そちらでは治療を行っていますか」的な確認をし、やっていればゴーです、やっていなければ別の皮膚科に同様の電話をします。その繰り返しです。
大きめな病院に確認することをお勧めします。