アトピー性皮膚炎治療の新薬「デュピクセント」、6月から自己注射が可能になります。
5月6日(月)に医者やナースから説明・指導を受けてきました。
把握した内容をお伝えします。
この記事の読者の想定は下記の通りです。
- 「デュピクセント」にかかる費用を少しでも抑えたい
- ご自身で自己の身体に「デュピクセント」を注射することを視野に入れている
- ご家族(主にお子様, 配偶者, ご兄弟 等)が「アトピー性皮膚炎」で、ご家族に対して「デュピクセント」を注射することを視野に入れている
上記の内1つでも当てはまる方は、是非お読み下さい。
この記事は「デュピクセント」に興味を持たれた方であれば、どなたでもご覧頂けます。
はじめに
注意事項
「デュピクセント」自体の説明は割愛
本記事では「デュピクセント」自体の説明を行いません。
「デュピクセント」がそもそも何か?どういう目的で用いられるのか?等をご存知でない方は、お手数ですが下記の記事を先にご覧下さい。
過去の記事
ご理解・ご協力の程、宜しくお願い致します。
本記事の活用方法
「自己注射を一考するきっかけ」や「思い出す助け」程度にして下さい。
本記事は、5月6日(月)に筆者が皮膚科医院で医者やナースの方々から受けた説明・指導を基に、記載しています。
記載内容には細心の注意を払っています。それでも、私が聴き間違えたり、そもそも医者やナースが言い間違えたりする可能性はあります。
予めご了承頂きますよう、お願い致します。
デュピクセントの在宅自己注射
「自己注射」とは?
デュピクセントを自分(※1)で打つ、という意味です。
従来は「病院でデュピクセントをナース(or医者?)に使用してもらう」だったところ、「在宅で自ら行う」という意味です。
※1 正確には自分である必要はありません、少なくとも家族はOKです(知人友人がOKかは確認していません、ご確認下さい。私の予想ではOKだと思います)。私の場合は妻に依頼します。
自己注射は必須か
任意です、必須ではありません。
従来通り病院で使用することも可能です。
自己注射による恩恵(後述する「メリット」)を受けたいのであれば、自己注射することをお勧めします。
自己注射はいつから可能か
2019年6月から可能です。
…と有識者から聴いていたんですが既に「今月から既に使用している」のような話もネット上で聴きます。
場所によって差異があるのか解りませんが、千葉県にある大きな皮膚科医院では「2019年6月から自己注射することが可能」と指導がありました。
メリット
通院によるデュピクセント使用に比べて、安い(約半額)。
病院に行き来する手間や時間を省ける。
デメリット
デュピクセントを自分(or身内)で使用する必要がある。
薬を自己で管理する必要がある。
自己注射についての指導を受ける必要がある(それも2度)。
在宅自己注射のハウツー
指導を受ける際に聴く内容です。
- 保管時、冷蔵庫に箱のまま保存する。
- 使用する予定の日、使用する45分以上前に常温に戻し始める(場所は平坦なところにする)。ドライヤーで風を吹きかけたり日差しに当てるのは厳禁 。
- 使用する場所は、自己の場合は腹部4箇所(へそを軸に、5センチ空けて上下左右)や両太腿。家族など自分以外にやってもらう場合、加えて腕2箇所も可能。
- 使用時、補助キット「マイデュピ」を使用することが推奨されている。
- 注射の際、アルコールティッシュで軽く拭く(アルコールティッシュは事前に貰える)。
- 注射の際、プランジャー(※1)押し通すこと(針を途中まで刺して抜いたらそのデュピクセントはもう使えない、必ず最後まで押し尽くすこと)。
- 使用後、使用済の注射器は専用の箱(場合によっては袋とのこと)に捨て、アルコールティッシュは家庭用のゴミに捨てる。
- 次回の受診時、使用済の注射器が入った箱ないし袋は病院に持参し渡す。
他は病院と変わりません(使用部位は続けて同じところに刺さないこと、使用後揉んだり掻いたりしないこと)。
指導内容
「口頭による説明」と「動画による説明」を受け、その後に「指導用デュピクセントで実践練習」します。
[jin_icon_info color=”#e9546b” size=”18px”]2回ある内の1回目はそうでした(2回目も全く同じかは、現時点では解りません)。
「動画による説明」は4つのチャプターに分かれていて、下記の説明でした。
- デュピクセント効能
- 自己注射方法
- 自己注射をする患者向けのスターターキットについて
- 医療費助成制度(ほぼ高額療養費制度)
「口頭による説明」は、動画内容を理解しているかの確認が主でした。
一通り指導が終わるとチェックリストの控えを貰えます。
実践練習
一通りの口頭と動画による説明が終わったタイミングで、デュピクセントとマイデュピを使って模擬的に使用します。
目的は手順と部位の確認ですので、実際に針を刺したりはしません。
特に「マイデュピを使う手順を実際に手を動かして、正確にレクチャーする」する意図のようでした。
デュピクセントを刺す前~引き抜く後までの手順をやります。
注射器も指導用のものです。
針の先端をよく見ると、皮膚に刺せないよう先端は丸まっています。
まとめ
結論はシンプル
安くしたいなら、自己注射一択。
どうしても自分で打てない!でも自己注射がいい!→家族にお願いをする
どうしても自分で打てない!誰にも頼めない!→従来通り病院で打つ
同伴推奨
家族にお願いをする場合、そのご家族にも指導を一緒に受けてもらうことをお勧めします。
「自己注射」の指導は前述の通り2度あり、私の場合は2度目に妻に同伴してもらいます。
最後に
デュピクセントの大きな短所であった高価な面、自己注射という選択肢が選べるようになったのは嬉しいですね。
デュピクセントにかかる費用が約半分にまで下がる、安くなるというんですから。
それに私のように通院に時間がかかっている方にとっても有り難いですね(私の場合は、通院に片道40分~50分前後かかっています)。
補助具「マイデュピ」がかなり便利な印象を受けたので、私のようによほど注射が苦手!という方を除くと自己注射しやすいのではないかと思います。
私のようなタイプであれば、家族や頼めるご友人知人と一緒に指導を受けてみてはいかがでしょうか?
指導を受けてみて、それから自己注射するか否かの選択ができるので、前向きに考えている方は是非受けてみて下さい。
【追記】補足説明
高額療養費制度の活用が前提
ご質問を頂き、説明が不足している点に気付きました。補足させて頂きます。
本記事で「安くなる」という表現を使っていますが、自己注射により薬価が下がるわけではないです。
自己注射を選ぶと「デュピクセントを2ヶ月分購入することになる」→「高額療養費制度における自己負担限度額の関係で、安くなる」です。
来週月曜日が次回のデュピクセント使用予定日であり、自己注射のレクチャー2回目でもあります。
使用本数や値段については改めて確認してこようと思います。
安くなるというのは、薬価がさがるわけではなく、一度に3本とか処方できるので、高額医療費でその月の支払いが限度額まで=1本あたりの単価が安くなるですよね?
あとぴっこ。さん
ご質問頂いてありがとうございます!
説明が不足してしまってすみません。
頂いたご質問に関して、通院している病院に電話で問い合わせました。
回答としては仰る通りです。
自己注射を選ぶことで薬価が下がるわけではないです。
自己注射を選ぶことで「デュピクセントを2ヶ月分購入することになる」→「高額療養費制度における自己負担限度額の関係で、安くなる」です。
ご指摘頂くまでは正確に把握しておらず、失礼しました。
頂いた質問を基に病院に質問して把握しました。
頂いた内容は記事に反映させて頂きます。
引き続き、ご質問などありましたら頂けると幸いです。
アトピー性皮膚炎で現在ゾレアを使っている者です。
去年の初めはヂュプリマブはアトピーには使えないといわれたのですが、
もう使えるようになったのですか?
現在アトピーで使用されているのですか?
その場合どれくらいの悪さで可能でしたか?
数値で重症度を判断しますよね。
おそらくオオサカ堂などで自分で購入して打つことはできないので、
皮膚科に行って診断書をもらって、その後は自宅で打つイメージですよね。
汗のチクチクした痒さなども激減しましたか?
色々と質問申し訳ございませんでした。
ザスルさん
ご質問頂いてありがとうございます!
引用しつつ回答していきますね。
>去年の初めはヂュプリマブはアトピーには使えないといわれたのですが、
>もう使えるようになったのですか?
使えるようになっています。
少なくとも去年の3月上旬には、私は使用できています。
>現在アトピーで使用されているのですか?
>その場合どれくらいの悪さで可能でしたか?
>数値で重症度を判断しますよね。
アトピーで使用しています。
かかる病院によりけりかもしれませんが、私がかかった病院では数値化は特にされませんでした。
お医者さんが上半身を診て、(広く)中度以上であればデュピクセント使用可能の判断をするようでした。
>おそらくオオサカ堂などで自分で購入して打つことはできないので、
>皮膚科に行って診断書をもらって、その後は自宅で打つイメージですよね。
イメージは、おおよそザスルさんのイメージ通りです。
国によって異なるようですが、日本の場合はおおよそ最初の内は病院で打ってくれつつ、在宅自己注射の指導を1~2度受け、その上で在宅自己注射をすることになる印象です。
(アメリカの場合だと、アメリカ在住のある方に聴いたときは、最初からデュピクセントを家で打つ…という流れだったそうです(補助具の「マイデュピ」も無いそうです)。)
>汗のチクチクした痒さなども激減しましたか?
誇張なしに、激減しました。
「汗のチクチクした痒さ」、不快で堪らないですよね~…(汗っかきなので尚のこと実感してました)。
今は汗かいても皮膚が異常を起こしていないからか痒みはなく、違和感もほぼ無いです。
炎症を起こしていれば別(度合いにもよりますが、不快感を感じる状態のときもあります)ですし、調子が良くても長時間放置はしません。
炎症起こすの怖いので。
>色々と質問申し訳ございませんでした。
いえいえ!丁寧に返信させて頂いたつもりですが、長くて読みづらかったらすみません。
ご参考になれば幸いですが、何か疑問が残ってたりしたら改めてご相談下さい。
デュピクセント、金銭面がクリアできるなら、効能面は自信を持ってお勧めできます。
興味があれば、一度お医者さんにお話聴いてみて参考にしてみて下さい。
汗で耳や顔が痒くなって寝られないのでいつも部屋を寒くしていて、自律神経失調症になりました。
汗のチクチク感はほとんどなくなったのですね。
うらやましいです。
冷やすと痒みが引く実感、私もよく解ります。
(逆に身体が温まると痒くなるのもよく解ります。布団に入った後とか。)
今は痒みとほぼ別れられてますが、それにはデュピクセントに安くないお金を払ったのと、一定期間(少なくとも現時点で1年強)継続したからこそです。
それ以前は私も毎日苦しんでいた身なので、デュピクセントを使うかは置いといてお医者さん(ないし良い人がいれば医者でなくても)ご相談しに行ってみて下さい。