この記事の読者の想定は下記の通りです。
- 映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」がお勧めか否か知りたい
- 映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」のスタッフ・キャストを知りたい
- 映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」がどんな話だったのか知りたい
- 映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」のタイトルの意味を知りたい
- 映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」の登場人物達について知りたい
上記の内1つでも当てはまる方は、是非お読み下さい。
未だ観賞していない方向け
「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」は「お勧め」か「お勧めでない」か
相手によります。
- 歴史モノが嫌いでない方:「お勧め」します。
- 歴史モノが嫌いな方:「お勧めでない」です。
- 難しめの要素が多い映画が苦手(≒避けたい)な方:「お勧めでない」です。
※上記の通り、個人的には「万人受け」する作品ではないと評価しています(私の主観に基づいての評価)。
※先入観なく観たい方に配慮して、理由はここでは伏せます。
「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」のスタッフ・キャスト
主演:ベネディクト・カンバーバッチ
監督:モルテン・ティルドゥム
「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」のあらすじ
第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……。
(引用元:解説・あらすじ – イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 – 作品 – Yahoo!映画)
「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」の予告編
https://youtu.be/hnrjKKwTEHY
「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」の本編
下記の記事よりVODの無料体験期間を活用することで、無料で観られます。
既に観賞した方向け
「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」のネタバレ要約
前提として、この映画は事実に基づく内容。
イギリスとドイツ間で戦争が起きた。
↓
ドイツの通信には、暗号機「エニグマ」が使われている。
通信には、どこを、いつ襲う、移動する等といったありとあらゆる情報が含まれる。
↓
イギリス側は戦争を早く決着させたい。
エニグマを解読したい。
↓
エニグマの解読の為の「解読班」が組織される。※主人公「アラン・チューリング」が含まれる
↓
解読班はエニグマの解読に成功、戦争は2年早く決着した。
歴史家達の見立てでは、1400万人以上救った。
「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」のタイトルの意味
「イミテーション・ゲーム」とは?
「相手がマシンか人間かを判断するテスト」のこと。
このテストには、審判と対象が必要。
※アラン・チューリングがノック刑事との会話中に、アランが口にした言葉。
「戦争中何をしたか?」という刑事の問いかけに対してアランが答え終えた後に、アランは言った。
「では刑事さん、判定を頼もう」
「私は、マシンか?人間か?」
「戦争の英雄か?犯罪者か?」
(※刑事は、「力になれない」と謝罪した。明言を避けている。)
「エニグマ」とは?
「ドイツの通信機に使われている暗号機」のこと。
ネタバレ要約のところにも書いたが、この暗号機の解読に成功すれば暗号化前のありとあらゆる情報が解るようになる。
ただし、「世界最強の暗号」なので解読は難しい。
「天才数学者の秘密」とは?
天才数学者=「アラン・チューリング」
アラン・チューリングの秘密=「同性愛者であること」ホモォ┌(┌^o^)┐<ホモォ
※当時、同性愛は犯罪。罰せられた。
※アランは、ジョーンとの結婚前までに何人かの男性と関係を持ったり、ジョーンとの離婚後に男娼を呼んだりしている。
「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」登場人物のまとめ
アラン・チューリング / 演者:ベネディクト・カンバーバッチ / 声優:三上哲
本作の主人公、天才数学者、解読班の1人、変わり者。
パズルが得意。
本作では、紆余曲折を経ながらも見事にエニグマの解読に成功する。
それも、成功したのは”単なるエニグマの解読”ではない。
「エニグマの解読をする機械の開発」に成功している為、この機械を運用することで毎日短時間で解読し終えることができるようになった。
これは大変凄いことであり、アラン以外の解読班のメンバーは最初から「その日分の解読」(≒翌日以降は使えない解読)に注力していたところ、アランは運用を意識していた。
アランにとって仕事自体は苦では無い様子だったものの、アランの業績が出ない間はお偉方の対応がとても大変な様子だった。
一度はお偉方がしびれを切らし、アランを首にしようとしたものの、アランを仲間達が庇ったことにより延期に終わった。
つまり仮にメンバーとの関係構築ができておらず、ヒューらの協力が得られていなければ、アランが実績を出すまでの間に機械を取り上げられている(※アランがヒューらとの関係を構築しようと思った動機はジョーンの影響によるもの)。
機械の名は「クリストファー」、アランが幼少(小学生?)の頃に恋をした男の子の名から因んでいる。いじめられているときに助けてくれたり、暗号との出会いのきっかけになった男の子(※因みに、クリストファーは幼少の頃に亡くなっている。結核だった)。
偉業を成し遂げたアランだったが、1953年に同性愛者であることが露呈してしまう。
1954年6月7日に、1年以上の強制的ホルモン投与の後に自殺している(※「強制的ホルモン」というのは、男性を好む性癖を変える為のもの)。
アランの成果が「チューリング・マシンの研究」に繋がり、「チューリング・マシン」を現代では「コンピュータ」と呼ばれている。
ジョーン・エリザベス・クラーク / 演者:キーラ・ナイトレイ / 声優:佐古真弓
解読班の1人、やや変わっている。
クロスワードパズルを解く能力に優れる(少なくとも数学もできる。オイラーの公式を知っていた)。
アランからプロポーズを受け、結婚。夫婦だった時期がある。
アランはミンギスが信用できなくなってからは、ジョーンが心配になり、自分との引き離そうとするがジョーンは離れなかった(離婚を承諾しなかった)。
時間が流れた後、アランと別れ、「ジョック」という別の男性と結婚する。
アランが婚約の破棄を申し出たときのジョーンの返しの一部、
- 「あなたは最高の夫ではないけど、私も最高の妻にはならない」
- 「あなたの帰りを、ラムを焼きながら待ってるなんてこともしない」
- 「あなたは仕事をし、私も仕事をする。」
- 「私はあなたのことが好きだし、あなたも私を思ってくれている、思い合って過ごしていくの。」
アランが自身が同性愛者であることをカミングアウトしたときの返しです。
大体こんなニュアンスだったと思いますが、「普通じゃない」ことを受け入れつつ、自分の認識(※相思相愛である点)を伝え、前向きな未来を見据えている。
ジョーンの器の大きさ、考え方、素敵だなぁと個人的には思いました(*・ω・)
ヒュー・アレグザンダー / 演者:マシュー・グード / 声優:福田賢二
解読班の1人、リーダーポジション、女好き。
英国チェスの王者(それも2回)。
アランのことを気に入らず攻撃的になる時期があるが、ジョーンの影響を受けたアランの努力もあって関係を構築していき、最後にはクリストファー完成に貢献していた。
地味にキーマンで、解読の鍵になった女性の一言を引き出したのはヒューが女性を口説いているときだった。
※ヒューが居なかったら、あの時点でのエニグマ解読は成し遂げられることはできなかった。
スチュアート・ミンギス / 演者:マーク・ストロング / 声優:てらそままさき
MI6(イギリスの情報機関)。
アラン達解読班に協力する側面がありつつ、ジョンがドイツとの内通者と知りつつ泳がせている側面もある。
民法を解りやすく教えてくれる教授で、内定後はこの教授の助手をするバイトをしていた時期もあります。懐かしい。
…本作では、協力的な側面を見せつつも、信用ならない側面も見せる信用しづらいキャラクターでした。
アランが冤罪で内通者として嫌疑をかけられてたときなんて、フォローしてくれよって思っちゃいますね。
ロバート・ノック / 演者:ロリー・キニア / 声優:こねり翔
刑事。
空き巣に入られたアランの家に訪れ、アランと知り合う。
アランの経歴を調べ、違和感を感じ、個人的に調査を続け、意図していなかったものの最終的に「同性愛者につきアラン逮捕」に繋がってしまった。
ジョン・ケアンクロス / 演者:アレン・リーチ / 声優:中林俊史
解読班の1人。
温厚な性格で、チームの中に和を乱す者が居るときは紳士的に対応する。
例えば…
- 解読班が結成されて間もなくの頃、アランに食事を誘ったときに、アランが極度の気難しさを発揮するも、ジョンは気を悪くすることなく笑って諦めた
- ヒューが、実績を出せず苛立ちがピークに達したときに、アランの機械に物理的に攻撃しようとしたことがあったが、ジョンは身を挺してヒューを止めてなだめた。
ドイツに情報を流していて、「裏切り者」ともとれるメンバー。
(ミンギスは敢えてジョンを採用していて、スターリンに情報を流されるのに利用していた。)
ピーター・ヒルトン / 演者:マシュー・ビアード / 声優:入倉敬介
解読班の1人。
解読成功直後、カーライル号にはピーターの兄が乗っていて、そのカーライル号はドイツ軍の奇襲を受けることが判っていた。
その奇襲を回避すると「エニグマが解読された」とドイツ軍に知られるリスクがあった為、他の解読班の反対によりカーライル号の救助は叶わず、兄を見殺しにされた。
※他の人達が全くもってどうでもいい!と思っているわけではありません。
「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」感想
アランがジョーンと出会い、目的達成の為とはいえ他者との関係を構築していき、エニグマの解読に成功する…。
それが戦争終結を早め、多くの人を助ける結果に繋がった。
本当に良かったです、仕事に着目すると素晴らしい結果に至ってますね。
楽しめましたが、私にはやや難しかったのも確かですね。笑
エンディングも「偉業・功績は認められている」ではありますが、アラン本人は同性愛者の部分より罰を受け、自殺に繋がっています。
一言で言うと、胸くそ悪いです。
ミンギスのことが信用できなくなってからのアランが、ジョーンとの関係を絶とうとするシーンも、胸が痛くて仕方がなかった。(´・ω・`)
ピーターの兄が見殺しになるシーンも。理屈は解るが…。
直近で投稿した2つの映画と併せて評価します(最高:10)。
- マイノリティ・リポート:8.5 / 10
- パッセンジャー:10 / 10
- イミテーション・ゲーム:6.5 / 10
ですかね、かなり主観に基づく、好みを考慮してなので「社会的な評価」とは異なるかもしれません。
気分にも左右されるざっくりなものですヽ(・ω・)/(ざっくり過ぎですかね)
アランの偉業は本当に素晴らしいです。助けた人数、「コンピュータ」の原点の開発。
ただ、アランにも生き続けて欲しかった。幸せな日々を送って欲しかった、、
という思いが強かったです。
最後、ジョーンがアランの状態を知り様々なフォローをしてくれようとしましたが、拒んだアランが残念で仕方がない。これが最後の救いだったんだよなぁ。
切ない思いでいっぱいです(´~`)